タダカヨ講師が、日本介護支援専門員協会 近畿ブロック研究大会で発表
1. 概要
NPO法人タダカヨ(所在地:東京都大田区、理事長:佐藤拡史)は、介護従事者向け無料オンラインPCスクール「タダスク」を運営する中で、講師として活躍する「ツクツク」こと次田芳尚氏(以下「ツクツク氏」とする)が、日本介護支援専門員協会 近畿ブロック研究大会(令和7年2月15日(土)に、滋賀県立長寿社会福祉センターにて開催)において、「居宅介護支援事業所におけるテレワーク実践」というテーマで発表を行った。

2. 近畿ブロック研究大会での発表
ツクツク氏は、株式会社279の代表取締役として、運営をする居宅介護支援事業所「つなぐ手ケアマネセンター」(以下、「つなぐ」とする)の取り組みを中心に、完全テレワーク型の居宅介護支援事業所を設立した経緯や、その運営におけるICTの活用について発表した。
発表の冒頭で、ツクツク氏は自身の経験、すなわち「めんどくさがり屋」で「字を書くのがとても苦手」だったことが、業務効率化の必要性を強く感じ、IT活用を推進する原動力になったと語った。在宅介護支援センターのソーシャルワーカー時代に、ショートステイの予約管理システムをFileMakerで自作したエピソードは、参加者にとって非常に印象的だった。このシステム導入により、予約受付から書類作成が効率化され、月間稼働率の向上や返戻の減少につながったとのこと。
また、ISO9001の認証取得にプロジェクトメンバーとして関わった経験も、業務プロセスの「見える化」や品質向上のための活動の基礎となり、ITやICTを活用した生産性向上に大きく役立ったと述べた。2000年の介護保険制度施行とパソコンの普及期にケアマネジャーとして働き始めたツクツク氏は、ケアマネジメント業務におけるICT活用の可能性を早くから認識したと話した。

つなぐは、「出勤時間」「退勤時間」という概念がない雇用契約を実現し、ケアマネジャーが時間に縛られない働き方をしている。
勤務時間については、会社が定めた勤務時間を働いたとみなす裁量労働制に近い管理方法を採用。
ケアマネジャーの仕事はスケジューリングが第一であり、それぞれのケアマネジャーが最適なスケジューリングを行い、決まった仕事を的確にこなすことが重要であるため、出勤は不要と考え、全ての仕事をテレワークで実施している。会議や事例検討会には、Google Workspaceのビデオ通話やビジネスチャットを活用している。

3. ICTフル活用による効果
ツクツク氏は、ICTをフル活用することで、疲弊を防ぎ、ケアマネの閉塞感をなくし、余計な時間を削減し、非効率を解消できると説明した。
また、事務員の配置による仕事の変化として、集約・移管・そして自動化(デジタル化)が進むことを示し、具体的な業務フローとして、提供票送付業務の効率化について、システム(カレンダー登録、チャット通知)とバックオフィス(BO)の連携による時間短縮の例を紹介。
さらに、副業を認める理由として、ケアマネジャーの収入アップや、セカンドキャリアなど人生設計をして自己実現をしてほしいという思いを語った。つなぐでは、産業ケアマネジャーやワークサポートケアマネジャーが、仕事と介護の両立支援にも取り組んでいるとのこと。