出張タダスク 亀岡市ケアプランデータ連携システム研修会
NPO法人タダカヨは、全国の職能団体に所属している介護従事者のITスキルアップを応援したいという想いから、団体向けに無料オンラインPCスクール「タダカヨの出張タダスク」を開催しています。
令和6年10月10日、亀岡市ケアマネジャー連絡会の亀岡市居宅介護支援事業部会から「ケアプランデータ連携システムを地域で普及させたい」というご要望をいただき、説明会を開催する運びとなりました。
介護業界の生産性向上と業務負担の軽減に大きく貢献する「ケアプランデータ連携システム」について、導入の手順や効果的な活用方法を、説明会での講話内容に基づいてご紹介いたします。
講師の紹介
日本が直面する介護業界の課題
2005年から2050年の45年間で、総人口は約36%減少し、74%になります。生産年齢人口の減少:働き手である15~64歳の人口は約58%に減少。高齢者人口の増加:75歳以上の高齢者人口は約146%に増加。これらのデータからも明らかなように、介護業界では少ない人手で増加する高齢者を支える必要があります。特に、2025年には団塊の世代が75歳以上となり、介護リスクが高まると予測されています。
ケアプランデータ連携システムとは
ケアプランデータ連携システムとは、このような背景の中、生産性向上と業務負担の軽減を図るために開発されたのが「ケアプランデータ連携システム」です。公益社団法人国民健康保険中央会が運営するこのシステムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で行われるケアプランの情報交換をデジタル化し、オンラインで共有する仕組みです。
主な機能提供票と提供実績のデータ送受信居宅介護支援事業所:提供票を送信し、サービス事業所から提供実績を受信。サービス事業所:提供票を受信し、提供実績を送信。サービス計画書(様式1・2)の送信ケアプランに基づいたサービス計画書をデータで送信可能です。
導入のメリットと留意点
導入のメリット
業務効率の向上
- 時間の節約:紙やFAXでのやり取りが不要になり、業務時間を大幅に短縮。
- ミスの削減:手入力や転記ミスが減り、データの正確性が向上。
コスト削減
- 経費の削減:紙、インク、FAX送信費用などのコストが削減。
- 環境負荷の軽減:紙の使用量が減り、環境保護に貢献。
セキュリティの向上
- 安全なデータ管理:国が認定するクラウド基盤と高いセキュリティ技術を使用。
- ケアの質の向上利用者との時間の確保:業務負担が減り、利用者とのコミュニケーションが増加。
導入にあたっての留意点
- 初期設定の手間:電子証明書の取得や専用アプリのインストールなど、導入初期にはステップが多い。
- 慣れない操作:新しいシステムへの習熟が必要。
- 一時的な業務負担の増加:現行のやり取り方法と並行して新システムを使用する期間がある。
新しいシステムの導入は確かに最初は手間がかかりますが、これは業務改革への第一歩です。
操作に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的な使い方はとてもシンプル。慣れてしまえば、紙の書類よりもずっと扱いやすくなります。もちろん、NPO法人タダカヨが無料で手厚くフォローいたしますのでご安心ください。
導入手順
国保中央会の「ケアプランデータ連携システム」公式サイトから申し込み。IDとパスワードの発行申し込み後、システム利用に必要なIDとパスワードが発行されます。電子証明書の取得セキュリティのための電子証明書を取得。専用アプリのインストールシステム利用のための専用アプリをダウンロードし、インストールします。電子証明書のインストールと起動電子証明書をアプリにインストールし、システムを起動です。
注意点
対応OSはWindows 10またはWindows 11が必要です。MacやChromebookでは利用できません。
端末の制限として、基本的に一台の端末での利用が推奨されます。複数端末での利用も可能ですが、送受信履歴が共有できない点にご注意ください。
データ送受信の制限として、一度に送信できるデータは50セットまでです。また、ダウンロードしたデータの再ダウンロードはできません。
スタッフ間での共有が重要です。システムの操作方法や活用方法をスタッフ全員で共有し、業務効率を最大化しましょう。
ベンダーとの連携も大切です。介護ソフトのベンダーと連携し、システムとのスムーズな統合を図ることで、より効果的に活用できます。
フィードバックの提供も欠かせません。利用中に感じた改善点や要望を国保中央会やベンダーに伝えることで、システムの進化に貢献できます。
実際に使われている方の声
導入した事業所からは、以下のようなポジティブな声が寄せられています。
- 業務負担の軽減:「スタッフの負担が大幅に減り、別の業務に時間を割けるようになりました。」
- 操作の簡便さ:「直感的な操作で、パソコンが苦手なスタッフでも問題なく使えます。」
今後の展望
ケアプランデータ連携システムは、さらなる機能拡充が予定されています。例えば、サービス計画書の様式3の送信が可能になる予定です。また、各ベンダーもシステムとの連携機能を強化しており、より使いやすい環境が整いつつあります。
まとめ
日本の介護業界が直面する労働力不足と高齢者人口の増加という課題に対し、ケアプランデータ連携システムは有効な解決策の一つです。初期導入の手間はあるものの、業務効率の向上やコスト削減、ケアの質の向上など多くのメリットがあります。
ぜひ、この機会に導入を検討し、介護現場の生産性向上とサービス品質の向上に役立てていただければ幸いです。
秋田県中央地区介護支援専門員協会inタダスク
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