【居宅介護支援事業所】業務効率化に効くICTツール・スマホ小技集7選|残業を減らす最初の一歩
月末のレセプト業務、訪問の合間の移動、なかなかつながらない連携機関への電話……。
居宅介護支援事業所で働くケアマネジャー(介護支援専門員)の皆様、毎日本当にお疲れ様です。
「利用者さんと向き合う時間を大切にしたいのに、書類作成や事務作業に追われて残業ばかり」「ICT化や業務効率化が必要なのはわかっているけれど、難しいシステムは導入できないし、何から手をつければいいかわからない」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
実は、高額なシステムを導入しなくても、皆さんがお持ちのスマートフォンや無料のアプリを少し工夫して使うだけで、業務の負担は驚くほど軽くなります。
この記事では、NPO法人タダカヨの講師であり、ICT活用のプロフェッショナルである「おハムさん(井上さん)」監修のもと、明日からすぐに試せる業務効率化の「ICT小技」を7つ厳選してご紹介します。
まずは一つだけでも試してみてください。その「小さな一歩」が、残業削減とケアの質向上への大きなきっかけになるはずです。
なぜ今、居宅介護支援事業所に「ICTの小技」が必要なのか?
介護業界全体で人材不足が叫ばれる中、特に居宅ケアマネジャーの業務量は増加の一途をたどっています。 モニタリング訪問、サービス担当者会議、ケアプラン作成、給付管理……多岐にわたる業務の中で、いかに「事務作業の時間」を圧縮するかが、長く働き続けるための鍵となります。
ICT活用=「手抜き」ではありません
ICT(情報通信技術)の活用と聞くと、「冷たい」「手抜きだ」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それは誤解です。
介護現場におけるICT活用とは、面倒な手間を省いて時間を生み出し、その分を利用者さんとのコミュニケーションや、より深いケアマネジメントに充てるための手段です。
- 移動時間の短縮: 道に迷う時間やルート検索の時間を減らす。
- 記録のスピードアップ: 記憶が新鮮なうちに短時間で記録を済ませる。
- 連絡ストレスの解消: 電話のすれ違いを減らす。
これらの積み重ねが、結果として「残業時間の削減」と、皆様自身の「心の余裕」につながります。それでは、具体的な活用術を見ていきましょう。
【移動・訪問編】外回りをスムーズにする地図アプリ活用術
居宅ケアマネジャーにとって、移動は業務の大きなウェイトを占めます。ここを効率化するだけで、1日のスケジュールにゆとりが生まれます。
①Googleマップの「リスト保存」機能
訪問先へ向かう際、毎回住所を入力して検索していませんか? Googleマップには、場所を保存してリスト化する機能があります。
- 活用法: 担当利用者様の自宅をGoogleマップ上で検索し、「保存」ボタンを押して「担当利用者」などのリスト(ラベル)に登録します。
- メリット: 地図上にピンが表示されるようになるため、今日の訪問ルートを視覚的に把握できます。「Aさんの家の近くを通るから、ついでに書類をポスティングしよう」といった効率的な動きが可能になります。
②カレンダーと地図の連携
スケジュール管理にGoogleカレンダーなどを使っている場合、予定の中に「住所」を入力しておきましょう。
- 小技: カレンダーの予定(例:14:00 佐藤様訪問)の詳細欄に住所を入れておくと、タップするだけでGoogleマップが起動し、ルート案内が始まります。
- メリット: 移動直前に住所を調べ直す手間がゼロになります。コピー&ペーストの手間さえも惜しむことが、ちりつも(塵も積もれば山となる)の時短になります。
【書類・記録編】キーボードを打つ時間を半減させる入力術
「事業所に戻ってから記録を書こうと思ったら、内容を忘れてしまった」「キーボード入力が遅くて時間がかかる」という方におすすめのテクニックです。
③スマホの「音声入力」(Google / Simeji)
文字入力は「指」よりも「声」の方が圧倒的に速いことをご存知でしょうか?
- 活用法: 訪問を終えて車に戻った直後や、移動の合間に、スマホのメモ帳を開いてマイクボタンを押し、経過記録をしゃべって入力します。
- メリット: 記憶が鮮明なうちに記録を残せます。誤変換があっても、あとでパソコンで清書する際に修正すればOK。「下書き」があるだけで、書類作成のハードルは劇的に下がります。
注意点:個人情報の漏洩を防ぐため、周囲に人がいない環境で行ってください。
④ユーザー辞書登録(単語登録)
「医療法人社団〇〇会」「介護老人保健施設」「サービス担当者会議」など、長く画数の多い言葉を毎回打つのは大変です。
- 活用法: スマホやパソコンの「ユーザー辞書(単語登録)」機能を使いましょう。
「利用者の名字をひらがな」で打てば → 「利用者さんのフルネーム」
「事業所名のはじめの3文字をひらがな」で打てば → 「事業所名の正式名称」
「いつも」と打てば → 「いつもお世話になっております。居宅介護支援事業所の〇〇です。」 - メリット: 入力にかかる秒数を短縮できるだけでなく、誤字脱字の防止にもなります。
【連絡・調整編】電話とFAXの呪縛から解放される通信ツール
「電話をしたけれど担当者が不在」「FAXを見るためだけに事業所に戻る」。これらは居宅業務の大きなタイムロス要因です。
⑤LINE / LINE WORKS / Chatwork の活用
電話は「相手の時間を奪う」ツールですが、チャットツールは「相手の好きなタイミングで見てもらえる」ツールです。
- 活用法: 事業所内の連絡は「LINE WORKS」や「Chatwork」などのビジネスチャットに移行しましょう。また、利用者様やご家族との連絡に公式LINEなどを活用するケースも増えています。
- メリット:「言った言わない」のトラブルを防げるほか、写真や動画を送ることで、電話では伝わりにくい利用者の様子を一発で共有できます。
⑥FAXの電子化(インターネットFAX等)
医療・介護業界ではまだまだFAXが現役ですが、紙のFAXに縛られる必要はありません。
- 活用法:「インターネットFAX」サービスを導入すると、届いたFAXをメールやスマホアプリで確認でき、送信もスマホから行えます。
- メリット: 外出先でも退院時サマリーや利用票実績を確認できます。「FAXが来ているか確認しに帰る」という無駄な移動がなくなります。
【タスク管理編】「うっかり忘れ」を防ぐデジタルのメモ帳
忙しいとつい、「あ、あの連絡忘れてた!」ということが起こりがちです。脳のメモリを解放してあげましょう。
⑦Google Keep / リマインダー
紙のメモは紛失のリスクがありますが、クラウド上のメモはなくなりません。
- 活用法:「Google Keep」などのメモアプリを使えば、テキストだけでなく、写真や音声もメモとして残せます。
- メリット:「リマインダー機能」がついているものを使えば、「〇日の〇時に通知」と設定でき、タスクの抜け漏れを確実に防げます。「覚えておかなくちゃ」というプレッシャーから解放され、目の前の業務に集中できます。
まずは「1つ」試すことから始めましょう
ここまで、居宅介護支援事業所で役立つ7つのICT小技・ツールをご紹介しました。
これら全てを一度に始める必要はありません。「これなら私にもできそう」「面白そう」と思ったものを、まずは1つだけ選んで、今日から試してみてください。
例えば、「次の訪問記録の下書きを、音声入力でやってみる」たったそれだけでも、「あれ? こんなに楽なんだ」と実感していただけるはずです。
私たちタダカヨは、ICTの力で介護現場の負担を減らし、ケアマネジャーの皆様が笑顔で働ける環境作りを応援しています。便利なツールを味方につけて、ご自身の時間も大切になさってくださいね。
監修
おハム 井上 彩加
Ohamu
活動地域:静岡県
サービス種別:居宅介護支援
職 種:介護支援専門員
好きなツール: canva Googleドライブ clibor ZOOM 音声入力 セル参照
保有資格:看護師 主任介護支援専門員、スマート介護士expert
◎受講生として学んだ知識を生かして、ICT初心者のみなさんと一緒に楽しく学んでいきます☺️


